エリオット波動は後付けだから使えない!?について解説

エリオット波動はテクニカル分析指標の数ある理論の中でも非常に有名なものだ。もちろんエリオット波動を参考にしてトレードプランを練っていきたいというトレーダーも多いのではないだろうか?

しかし、このエリオット波動に異を唱える声もまた多いのは事実だ。エリオット波動は後付けだから使えない、実際の相場でエリオット波動なんて全くわからない、などの声だ。

今回はエリオット波動は実際に使えないのか? 実際に後付けなのか?解説していきたいと思う。

目次

エリオット波動は後付けなのか?

早速だが、エリオット波動の後付け説について考えてみたいと思う。先に結論を言ってしまうと、エリオット波動はほぼ「後付け」のようなものだ。

言うなればエリオット波動と相性の良いフィボナッチなどの描写ツールに関しても、目安となる波動が出来上がっていないとなんの役にも立たない。もっと大きく言うなれば、テクニカル分析全般的に全て過去の値動きを参考にして分析するものであって、何もない状態からではそもそも分析などできるはずもない。

特にエリオット波動は見る人によって見解が分かれやすいのが特徴だ。ではエリオット波動は後付けだから使えないのか?について考えてみよう。

エリオット波動は後付けだから使えないのか?

エリオット波動を説明する時に、チャートを見ながらこれは何波だったんですよ、という説明は非常に多いだろう。もちろんそれは後付けに間違いない。

実際に知りたいのは今現在が何波なのか?これに尽きるのではないか?

しかし、実際に過去のチャートを見て何波なのか?というのが把握されていなければ、そもそも現在何波なのか?というのもわかるはずもない。トレーダーが中心的に見ていく3波を捉える際にも、過去の下落、そして1波の見当、2波の予想を付けて初めて3波を狙う事ができるはずだ。

つまり、後付けだから使えないという思想は、根本的に理屈に合っていないという事になる。もちろんテクニカル分析全てに当てはまることで、過去を参照しないで未来だけを予測したいのであれば、そもそもテクニカル分析をする必要性自体が皆無に等しい。

つまり、後付けだから使えないという理屈は、全くもって意味も根拠もないものだという事が言える。

エリオット波動はそもそも使えないのか?

では極論である。エリオット波動はそもそも使えるテクニカル分析なのだろうか?という事だ。答えは「トレーダーによる」だが、それではあまりにもアバウトなので、少し掘り下げてお話ししたい。

そもそもテクニカル分析の指標・インジケーターに関しては、そのひとつだけでトレードするというのは非常に困難極まりない事だ。エリオット波動だけで勝てる、移動平均線だけで勝てる、などという謳い文句を聞いたことはないだろうか?

確かにそれだけで勝てているトレーダーがいる事は否定するつもりはない。なぜならどんな分析手法を使っていたとしても、結果的に勝てればそれで良い。

しかし、それはあくまでも継続して勝っている事が前提だ。相場環境は刻一刻と変化していく。分析手法がはまる時期もあればそうでない時期もある。大切なのは、どんな相場環境になっても自分の分析手法をブレずに継続でき、その手法が長い目で見てトータルで勝ちに持っていけるだけの手法なのかどうかである。

エリオット波動の使い方と認識

エリオット波動を追いかけていくと、必ず見えてくるのが銘柄や時間足の特性だ。とある銘柄のとある時間足だとエリオット波動が把握しやすい、とある銘柄だとどの時間足でも全く判別がつかない、など使う銘柄や時間足によって全く特性が異なるのだ。

実際に私の例を挙げるとすると、ドル円のエリオット波動は2019年位まで4時間足で明確に今何波なのか?高確率で判別する事ができた。しかし、2019年末位からサッパリ分からない。と言った状況になってきたのだ。

つまり、同じ銘柄でも明確に把握できる相場状況の時もあれば、そうならない相場状況になる時もあるという事だ。

ではエリオット波動は使えないのか?

エリオット波動は、ここのポイントでエントリーというような明確な基準を示すものではない。今の波動が何波なのか目安をつける事によって、トレードに対する目線を決めていく事になっていくものだ。その目線によってトレード戦略を立てやすくなる。

つまり、エリオット波動を確実に、かつ明確に認識する必要はないのだ。見当が外れていれば見方を修正すればいい。これから先の相場の動きを確実に捉えられるものは存在しないと言っても過言ではないし、そういう使い方をするための指標ではないのだ。

まとめ

エリオット波動は後付けだから使えないのか?についてお話ししてきたが、まとめてみよう。

まず、後付けだから使えないというのは間違っている。しかし、使えるか使えないかはトレーダー次第であり、使い方を間違わなければ、銘柄や時間足によっては使えないわけではない、という結論だ。

基本的に勝てていない時期というのはメンタル的にも色んな情報に影響を受けてしまう。それは仕方がない、私も当然そうだったからだ。

しかし、エリオット波動に限らずテクニカル分析全てに言える事だが、何を使うのかどうかは自分の意思で決める事、他人が使えないと言っていても、自分が本当にそう判断して使わないのであればそれは正解だ。

他人が「使えない」といったところでそれが一体なんなのだろうか?自分自身で何をどれだけ検証し、納得したのだろうか?

トレードに関しては「他人に判断を委ねるな」これが鉄則になる。自分が納得するまでは誰がなんと言おうが振り回されてはならない。もちろん全ての情報がデタラメだと言っているわけではない。何が良いか悪いかの判断は他人に振り回されず自分で決断して決めなければならないという事だ。

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