トレンド系とオシレーター系の違いとは何か?

テクニカル分析のインジケーターには数多くが存在し、自作などを含めると無限大と言っても良い数が存在する。デフォルトで入っているインジケーターも複数のカテゴリーに分類されている。

基本的には「トレンド系」「オシレーター系」「描写系」に分類されているが、トレンド系とオシレーター系の違いとは何なのだろうか?

簡単にいうと、トレンド系は「相場の大まかな流れ」という全体的な流れを見ることに使い、オシレーター系は「買われすぎ、売られすぎ」という直近の状況を判断するものになる。

基本的にどちらが良いというものではなく、使い方はトレーダーによって様々だ。今回はトレンド系とオシレーター系の違いについてお話ししていこう。

目次

トレンド系インジケーターの特徴

画像はエンベロープ/MT5for MAC
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代表的なトレンド系インジケーターには「移動平均線」「ボリンジャーバンド」「一目均衡表」などが挙げられる。主な特徴としては、チャート画面に直接描写され移動平均を軸として考えられているものが多く、テクニカル分析の主要インジケーターとして利用される。

オシレーターに比べラインナップは非常に少ないが、上昇下降のトレンド転換やトレンドの継続など、過去の値動きから全体的な流れを把握することに適したインジケーターになる。

オシレーター系インジケーターの特徴

画像はモメンタム/MT5for MAC
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オシレーター系はメインチャートとは別に小窓表示されるものが多い。代表的なものでは「MACD」「RSI」「ストキャスティクス」などがあり、トレンド系インジケーターのサポート役として利用されることが多い。

直近の値動きに対して、ある水準を超えたら買われすぎ、売られすぎといった目安を知ることに利用されることが多いが、長い時間足で判断したり、ダイバージェンスを利用することで、あながち短期的な目線だけで利用するわけではない。

トレンド系とオシレーター系の共通点

トレンド系もオシレーター系も、長期短期問わず「過去の値動き」を参考にして表示されるのが基本になる。一目均衡表のようにこれからの未来を雲として表示させるものもあるが、それもあくまで過去の値動きから導き出されている。

言い換えれば、どんな手法やシグナルも完全なものはないということであり、トレンド系インジケーターが上昇している時は過去に上昇の値動きがあった後であり、オシレーター系インジケーターが買われすぎを表示していても、どこで下がるかの確定的なシグナルではない。

テクニカル分析において重要なものは「優位性のあるタイミング」を見つけることであり、勝つ確率の高い場所でいかにエントリーすることができるかが重要になる。

トレンド系もオシレーター系も勝つ確率の高い場所を見つけるために利用するインジケーターだ。

トレンド系はトレンドフォローに向いているのか?

トレンド系は「トレンドフォロー」に向いている、オシレーター系は「カウンター(逆張り)」に向いているといわれるが、気にしない方が良い。

トレンド系はその名の通り全体の流れを見ることに利用することからトレンドフォローに向いていると言われているが、トレンド系のインジケーターでも値動きの転換を狙うことは十分にできるし、オシレーター系でも結果的にトレンド追従に利用するパターンもある。

トレンド系がトレンドフォローに向いているか?といわれれば「利用することはできる」が、トレンドフォローという難易度の高いトレードスタイルに対し、トレンド系インジケーターだから「向いている」とは言えないのが本音だ。

オシレーター系を逆張りと安易な定義をもっているのは、買われすぎでショート、売られすぎでロングという単純な考えであり、テクニカル分析において不必要な常識と考えられる。

まとめ

トレンド系は全体的な相場状況を判断するもの、オシレーター系は買われすぎ売られすぎを短期長期問わずに判断するものになる。

重要なのはトレンド系だから、オシレーター系だからと型にはめず、こだわりすぎない方が良い。勝つために必要なものならトレンド系だけを利用しても、オシレーターだけを利用しても、オシレーターをダブルで利用しても何でも良い。

どちらも利用せずラインなどの描写系だけでも良いだろう。

テクニカル分析はシンプルであったほうが良いのは確かだ。利用するインジケーターの型にはまらず、最終的には自分のトレードスタイルにあったものを選択してほしい。

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