移動平均線系インジケーター「エンベロープ」の使い方について

エンベロープとはグランビルの法則でも使用されている「移動平均線の乖離率」を使ったインジケーターになる。見た目的にはボリンジャーバンドのような波動を値動きの上下でしているように見えるが、実際にはボリンジャーバンドとは全く性質が異なるものだ。

エンベロープには設定があり、使い方によってさまざまな分析手法に使われている。

この記事ではそんなエンベロープの使い方についてお話ししていこうと思う。実際にエンベロープは移動平均線からの乖離を見ていく上で参考になるインジケーターになるので、興味のある方は是非参考にしていただきたい。

移動平均線の乖離率については下記の記事で説明しているので、参考にしてほしい。

目次

エンベロープの基本的な表示内容とは

では早速だが、エンベロープとはどんなインジケーターなのだろうか?まずは基本的な表示内容を説明していこう。

エンベロープの概要

上記がエンベロープを表示させたものになる。中央にラインがあって、その上下に同じようにラインがある。値動きを挟んだ帯のような形状をしている。

まずはこの真ん中のラインだが、これは「移動平均線」になる。その上下にあるラインは真ん中の移動平均線と全く同じ移動平均線が表示されている状態だ。

つまり、真ん中の移動平均線と同じ移動平均線が、上下にある一定の距離を保った状態で表示されているのがエンベロープの基本的な形になる。

真ん中の移動平均線から、どれくらい今の価格が乖離しているか?上下に表示された移動平均線で見ていくというシンプルなインジケーターになる。それではひとつずつ設定を見ていこう。

エンベロープの設定の仕方とは

エンベロープを使ううえで少しクセのある設定があるので、これから紹介していこう。特に使用しているチャートによっても出来る出来ないがあるので、そのあたりもお話ししていこう。

中央の移動平均線の設定

まずは中央に表示されている移動平均線だ。この移動平均線はエンベロープの基準となるものなので、どの移動平均線をどの設定で使用するかよく検証して使用しよう。

もちろんおすすめの移動平均線はない。取引している銘柄や使っている時間足の特徴を考慮して決めていただきたい。

証券会社や使用しているチャートによっては移動平均線の種類が「SMA(単純移動平均線)」「EMA(指数平滑移動平均線)」のどちらかしか選べないものもあり、MT5など種類によっては「SMMA(平滑移動平均)」や「WMA(加重移動平均線)」などが選択できるものもある。

ここで設定した移動平均線が上下に表示されるものとなる。

上下の移動平均線の設定

上下の移動平均線は基本的に中央の移動平均線と同じものなので、どれくらい中央の線から離れているのか?という乖離幅の設定が基本となる。

ただし、MT5など1部のチャートでは「シフト」といって、上下に表示させた移動平均線を左・右にスライドさせて表示させることもできるので、参考までにお伝えしておこう。

乖離幅に関しては、実は同じ銘柄でも「時間足」によって違いがある。

乖離幅は、0.001から細かに設定できるものや、0.1単位で設定できるものもあるが、使用する時間足が大きくなるにつれて、乖離幅は大きく設定しなければならない。

4時間足から15分足に切り替えた場合のエンべロープ表示例
4時間足から15分足に切り替えた場合の表示例

つまり、使う時間足によってエンベロープの乖離幅は設定が異なるという事になるので注意しておこう。では、エンベロープのトレードの基準となる「上下の移動平均線の使い方」について説明していこう。

エンベロープの基本的な使い方

エンベロープ15分足のチャート

上記はエンベロープを表示させた15分足チャートだが、乖離率1.0%で設定してあり移動平均線は20MAを使用しているものになる。

エンベロープの基本的な使い方は下記チャートでも分かるように、乖離率がエンベロープまで接近した時にエントリーを仕掛けるタイミングに使うというものだ。丸印の部分でキレイに反発しているのが分かる。

価格がエンベロープにタッチしている状態のチャート

しかし実際の相場ではこんなに上手く毎回反発するわけではない。何度も上手くいっていた設定でも相場の流れが変われば一転同じ設定でのやり方は通用しなくなる。

エンベロープで見られるバンドウォーク?

下記チャートは上記チャートの続きになっている。やはり2度エンベロープに跳ね返されているが、2回目の後は上昇の勢いが強く、ボリンジャーバンドのバンドウォークのような値動きになっているのが分かるだろう。

バンドウォークのような値動きをしているエンベロープのチャート

これは1度下のエンベロープにサポートされてから、すぐ上のエンベロープに当たった時によくあるパターンで、上昇の勢いが強い相場の時に見られる。

エンベロープにタッチしたがトレンドが継続するパターン

実際にエンベロープにタッチしたり超えていったからといって毎回トレンドが変換するわけではない。あくまでも移動平均線の乖離率という不確かなものを指標として使用するわけだ。エンベロープだけを頼りにはトレードはもちろんできない。

エンベロープにタッチしてもトレンドの流れが変わらないチャート

上のチャートを見てみよう。四角で囲ってある部分だが、1度は下のエンベロープにタッチしている。その後多少は上昇したが、結局トレンドの方向性は変わっていない。このパターンは実は結構ある。

エンベロープにタッチしたからといって必ずしもトレンドが変換するわけではないので、値動きをきちんと見ておく事が大切になるだろう。

どんな設定でも大きく乖離する時も必ずある

大きくエンベロープが乖離した状態のチャート

上記チャートを見てみよう。エンベロープを下に抜いて大きく乖離している。こういうパターンもままあるので覚えておきたい。ボリンジャーバンドでもそうだが、99%ここで止まるという確率論でも、普通に止まらないパターンもそれなりにある。

エンベロープの特徴としては、値動きが上下に激しい時と、それなりにキレイに上昇下降している時とでは、推移する範囲に違いがでてくるので、値動きによって判断しなければならない事も多くなる。

エンベロープの設定を修正した場合のチャート

上記チャートを見てみよう。先程のチャートからエンベロープの設定を0.2%乖離させて表示させてみた。そうすることによって、エンベロープ自体は見やすくなったのだが、下記チャートのようにボラティリティーが少なくなると、同じ設定でもエンベロープにタッチをしなくなる。

ボラティリティーが少なくなれば当たり前の話だが、値動きの方向性は逆に見やすくはなるという使い方もある。

ボラティリティーが小さい時のエンベロープのチャート

上下のどちらかだけを表示させる事もできる

トレーダーの中にはロングしかしない、ショートしかしないという方もいるだろう。エンベロープでは上下片方だけの表示もできるので紹介しておこう。

上のエンベロープだけを残した状態のチャート

上記チャートは下のエンベロープと中央の移動平均線を外した状態の表示だ。ショートしかしないという方は、こういう表示でもいいのかもしれない。

もちろん逆もできるので、下にだけエンベロープを表示させるのもいいだろう。

まとめ

今回はエンベロープの使い方についてお話しさせていただいたが、エンベロープというインジケーターはあくまでも移動平均線の乖離を見るものだ。

使い方は千差万別。移動平均線の設定など、トレーダーによって様々な使い方があるだろう。

上下のエンベロープをサポートレジスタンスとして使うのか?それとも中央の移動平均線とエンベロープのどの位置で値動きが推移しているのかを判断してトレンドの方向を見ていくのもまた使い方だろう。

特に過信するようなインジケーターではないが、他のテクニカル分析と合わせて手法を組み立てていくのもありだろう。

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