相場分析では、よく「買い目線・売り目線」という言葉を使う。この目線について今回はお話しさせていただこうと思う。
そもそもこの目線というのは皆さんはどのように決めているのだろうか?よく聞くのは、大きな時間足チャートを見て、そこで買い目線か売り目線かを判断して、デイトレードなどのテクニカル分析の戦略に反映させるといったものだ。
しかし、実際のところ皆さんは大きな時間足を見て目線は決められているのだろうか?そしてその目線は実際のトレードで有効になっているのだろうか?
正直なところ、あまり優位性がないのではないか?と考える。では何故に大きな時間足での目線決めがうまくいかないのか?というところからお話ししていこう。
大きな時間足は目線を固定するものではない
大きな時間足と言えば日足や4時間足になるだろうか?では日足で説明しよう。日足で目に見えて上昇している相場だったらそれは確かに買い目線でも問題ないだろう。
しかし、そんな状況は一体どれだけあるだろうか?下手すれば1ヶ月に1回どころか半年に1回くらいだろうか?しかも日足の中には1時間足だけでも12本も入っている。5分足なら何本入っているだろうか?
大きな時間足は価格の節目や、200MA、フィボナッチなどで節目を見るには優位性に優れている。しかし、短期売買をするなら目線決めには適してはいない。
それでも目線は確かに大切と言えば大切だ。トレードスタイル次第だが。なので、アバウトな形であれば大きい時間足で目線を決めるのは適してはいないが間違いではない。
間違いなのは、目線に対して絶対的なものを見出そうとしている事だ。
目線は絶対的なものを求めてはならない
目線というのは買いか売りの目線だ。この目線に対して絶対的な確証を求めてはならないというものがある。これは一体どう言う事なのか?というお話をしていこう。
目線というのはあくまでもアバウトなものでなければならない。なぜなら相場の方向性は基本的に誰にも分からないからだ。
だからこそどちらに動いても良いようにある程度の想定をしておく必要性があるのだ。
ここで目線に絶対的なものを求めようとすると、目線が違っていた場合にどういうトレードになるだろうか?目線が間違っていたという気持ちになるのではないだろうか?
しかし、目線に間違いというものはない。なぜなら先ほども言った通り、相場の未来は誰にもわからないからだ。
特に1番やってはならない目線の決め方についてこれからお話ししよう。
ファンダメンタルで相場の目線を決めるな
これはまず良い事はない。よく、あれやこれやと政治や経済を分析して相場に当てはめようとしている方がいるが、真似しない方が無難だ。
もし悪いファンダメンタル的な要因があって、専門家やYouTubeなどでこれから相場が下落する、と言うような情報があったらあなたはどう判断するだろうか?
テクニカル分析的にあなたのルールでは買い。しかしファンダメンタルでは売り。どう目線をもっていくだろう。
もし、テクニカル分析に沿ってルール通り買い目線でチャートを見たとしても、ファンダメンタルの情報により潜在意識の中に下落の2文字がまとわり付いてくるくるはずだ。
もし、どうしてもファンダメンタルを取り入れたいなら目線は下落に絞っても良い。しかし、自分のトレードスタイルと逆の事をしないといけないので、トレードスタイルにブレが生じる事となる。
自分のトレードスタイルとファンダメンタルが一致しているなら何も問題ないだろう。
しかしここで問題なのが、負けた理由をファンダメンタルのせいにしてしまってはならないという事だ。そもそも自分のトレードルールとファンダメンタルが一致しているならば、ファンダメンタルを知る必要性はない。
トレードの目線をファンダメンタルで決めるというのは、1番やってはならない目線決めだ。
ロングとショートの目線の決め方
では、どうしても目線が決まらない場合はどうしたらいいのか?という事に触れてみよう。
確かに初心者の頃なんかは目線を決めておいた方が、上に行ったり下に行ったり、値動きにブレてしまう可能性を少しでも排除できるかもしれない。
これはひとつの例として参考にしてもらえたらいいのだが、目線を固定してしまうというやり方も悪くはない。これはどういう事なのか?というと、買い目線で全てを固定してしまって、トレードするならいかなる場合も買いしかしないという事だ。
メリットとしては常に買い目線なので、買いの局面だけを注意して見ておく事で、値動きによってロングだショートだと無駄なエントリーを減らせるというメリットがある。
もちろんロングでもショートでもどちらでも構わない。事実私は今だにほとんどショートしかやらないトレーダーだ。ショートしかやらないというよりも、ショートの局面しか見ていないというのが正直なところだろうか?
たまにロングがいいとか、ショートはどうだとか、くだらない事を喋っている人がいるが、ロングでもショートでもどちらでも構わない。トレーダー自身が自分の判断で決める事であり、全ての判断は自分で決めれば良い。
あくまでも参考程度だが、そういう目線の決め方もあるので覚えておいて欲しい。
まとめ
よく、ネックラインを割ってきたら下目線、ダウ理論的に前回の安値を下回ったら下目線、など相場の目線について諸説ある。
しかし、トリプルトップを形成していて、ネックラインを割ったからと言って、その後大きな下落になるかと言われればそうなる時もあればそうならない時もある。
確かに相場の天井はトリプルトップなどが形成されるのは事実だ。しかし、トリプルトップを形成したからといって、そこが相場の天井とは限らず、さらに上昇してからさらに大きな天井をつける事もある。
つまりは、フォーメーションは結果論だという事だ。
目線に関してどれが正しいという事はない。もちろんずっとロング一択でも構わないのだ。
大切なのは、自分のトレードスタイルに応じた目線を決めていくという事になり、トレードスタイルの構築とともに目線も同時に決まってくるだろう。
大切なのは、目線にこだわるよりも先に自分のトレードスタイルを追求する事を先決したほうが良さそうだ。