この記事では、ストキャスティクスの基本的なチャート分析や、オシレーター系テクニカル指標の特徴であるダイバージェンスの見方について解説していこう。
ストキャスティクスはレンジ相場で使いやすいインジケーターだが、まず最初に買いと売りの判断基準から説明していきたいと思う。
ストキャスティクスの基本的な知識はストキャスティクスの計算式と基本設定とはの記事でチェックしてみてほしい。基本的な事はその記事で説明している。
買いの局面と売りの局面の判断基準
ストキャスティクスの基本的な判断材料として特徴的なのは2本の線を使うという事だ。ではなぜ2本の線を表示させているのだろうか?
それはトレンドの転換を2本のストキャスティクスのクロスで視覚的に判断する為だ。ではその2本の線の役割について見ていこう。
ストキャスティクス同士のクロス
緑丸がしてあるところがクロスの場所になる。上記チャートではクロスしているところをただ単に印をつけているが、この中にトレンド転換のシグナルとして使えないものもある。それでは実際のトレードで使用するクロスについて相場判断としてよく使う判断基準を説明していこう。
まずはクロスする位置関係だが、高値圏でのクロス(ハイライン70%以上)もしくは安値圏でのクロス(ローライン30%以下)でのクロスでなければ有効性が非常に低い。
相場では必ずどちらかのトレンドができているわけではなく、揉み合っているような相場環境だと、中値圏でクロスを繰り返していて、どうしても的確な判断ができない。なのでクロスだけを見るのではなく、クロスしている位置がどの価格帯なのかを考慮して判断する事が大切になってくる。
クロスの種類としては、高値圏で%DがS%Dを下に突き抜ける事をデッドクロスとして、安値圏で%DがS%Dを上に突き抜けるとゴールデンクロスとして表現している。
クロスによるエントリーポイントの検証
上記チャートはおなじみ日経平均株価日足チャートだ。高値圏のデッドクロスと安値圏のゴールデンクロスで5回中4回はストキャスティクスだけでエントリーが成功していることになる、しかもかなりピンポイントのところでエントリーが成功している。
青丸の部分はストキャスティクスでのエントリーは失敗しているところだ。デッドクロスはしたもののその後さらに上昇し、もみ合いながらさらに上昇していく。こういう場面も必ずある。
この時のエントリーはどうしたらよかったのかを検証してみると、エリオット波動ではこの上昇は第3波の上昇になっていた。
このことからこの上昇はまだ伸びていく可能性が高いという事と、水平線で引いたレジスタンスラインがあるので価格の節目として揉み合う可能性が高いという事を他のテクニカル分析で認識しておく必要性がある、と言う事だ。
ダイバージェンスの見方
オシレーター系のテクニカル分析で非常に有効とされているダイバージェンスについて説明しよう。ダイバージェンスとは、価格が上昇していってるにも関わらずオシレーターが前回の高値ラインを超えられず逆に安値ラインを更新してしまう現象をいう。
この現象が起きると、近くトレンドが大きく反転する可能性が高くなってきている事を誇示しているシグナルになるので、相場の流れが変わる前兆として捉えるものとなる。
上記チャートは原油の日足チャートだが、最初下落してきていて、ストキャスティクスも下に下がってきていたが、価格が下がっているのにストキャスティクスは安値を付けそこからチャートの値動きとは反対に安値を切り上げてきているのがわかるだろうか。
ダイバージェンスはもっとわかりやすく長期間において発生する事もある。
ダイバージェンスを発見したら他のテクニカル分析とあわせて、エントリーのタイミングを見計らってトレードするのも有効な手段になってくる。
まとめ
今回はストキャスティクスの基本的なエントリーなどを紹介したが、オシレーター系のテクニカル分析全般的に、ある一定のレンジ相場のトレンドの転換時には非常に有効なものとして使えるが、先のエントリーポイントの検証時のように大きなトレンドが発生している時には、逆のタイミングで高値圏でデッドクロスが出たにも関わらず、そのままそれが押し目となって上昇してしまう事もよくある。
オシレーターというのは基本的にサブ的なインジケーターで、直近の値動きを見ていくのが基本になる。オシレーターを過信せず他のテクニカル指標と組み合わせて上手に使っていこう。