テクニカル分析には必要最低限のファンダメンタル分析が必要になってくる。そのほとんどは経済指標であったり、決算発表であったりと前もって予定が組まれているものに限定される。
もちろんFXのスキャルピングのようにほぼファンダメンタルが必要のない取引スタイルもあるが、数時間程度のポジションを持つのであれば、最低限のファンダメンタル要因は抑えておきたいところだ。
そして最低限のファンダメンタル要因というのは株式やFXといった市場で分かれる訳ではなく、どの市場にも関係してくることだ。
今回は効率の良いファンダメンタル分析とはどういったものか?ついて説明していこう。
経済指標
基本的なファンダメンタルは「経済指標」と検索すればカレンダー形式で経済指標一覧がネットでいくらでも出てくる。大抵は、星3つが重要度MAXで星2つが中、星1つが重要度小といった具合になっているものが多い。
ここで参考にするのは重要度MAXのもの。もちろん星2つのものでも相場に影響を与える場合もあるが、そこまで気にする必要はない。
多くのトレーダーから注目されるのは、毎月第一金曜日の夜に発表される雇用統計だ。
雇用統計はアメリカが出している経済指標で、世界的に注目されている。最近では昔ほど大きな値動きではなくなったが、株価・為替共に大きく相場変動する可能性があるので押さえておきたい。
トレード戦略
トレード戦略としては、重要度の高い経済指標が発表されると、テクニカル分析的にもトレンドの変換や大きなヒゲが出て、思いも寄らないところでロスカットされるなどの事態が発生する可能性がある。
基本的には重要度の高い指標発表の前にはポジションを決済しておくのがセオリーとなるが、テクニカル分析的にポジションを持っておきたい場合などは、ロスカットだけ忘れずに設定しておきたい。
そして重要な事だが、経済指標の結果にはフォーカスしない事だ。
相場の鉄則として、いい結果が出ても上昇するわけでは無く、悪い結果が出たからと言って下落するわけでもない。
指標の結果を参考にしてトレードするのは危険極まりない行為なので、間違っても指標の良し悪しでポジションを握るのはやめておこう。
重要なのは指標発表までのポジション調整などのトレード戦略だ。
株式個別銘柄の決算発表
決算発表に関しても経済指標と同じ考え方でオッケーだ。
しかし忘れてはならないのは、株式の個別銘柄だからといって為替に全く関係ないわけではない。
キーエンスなどの大型株の日中の決算は大きくドル円の為替変動にダイレクトに影響する時がある。ヒゲなどで刈られない為にもポジションの調整はしておいたほうがいいだろう。
もちろん決算発表の結果にはフォーカスする必要はない。あくまでもテクニカル分析を主として考えておこう。
政策金利
政策金利の発表は為替・株価共に大きく影響を受けるファンダメンタル要因だ。
もちろん発表日時などは前もってわかっている事がほとんどなので、ネット検索ででも調べておこう。
政策金利は経済の過熱具合を知るための大きな指標なので、注目度が非常に高い。
基本的に金利とは、景気が過熱してインフレ状態なら金利を上げて調整し、景気が下振れしてデフレ状態なら金利は下げるのがセオリーだ。
将来の経済を加味して金利を調整するのが政策金利だ。それだけ覚えておけばトレードには何の支障もない。
つまり、これから国がどんなふうに経済の先行きを見ているのか?という大切な指標になる。
政策金利の注目はFOMC
政策金利の注目はもちろんアメリカだ。
アメリカの政策金利はFOMCで決められるので、経済指標にFOMCと表記されていれば、アメリカの政策金利発表ということになるので注意しておきたい。
テクニカル分析的にも、FOMCが近づくにつれてポジション調整の相場になり、大きな変動が徐々に収束していき、FOMCの発表と共に一気に動き出すので注意しておこう。
政治的要因
これもまた注目はアメリカになるが、大統領選挙や中間選挙の年は注意しておこう。
大統領選挙や中間選挙の年は、相場が大きく動く傾向にある。
短期トレードならば逆にトレードチャンスとなり得るが、長期トレードに関してはかなり危険なトレードになるので、損切りをしないトレードだけは絶対にしないようにしよう。
そして、いろんな予想が飛び交うが、これから相場がどうなるのかなんて誰にも分からないので、どんな予想を耳にしても決して参考にしてはならない。これは鉄則だ。
まとめ
以上が個人トレーダーが最低限気にしておけばいいファンダメンタル要因だ。
今回あげた要因だけ気にして見てもらえば、テクニカル分析としても非常に効率の良い分析ができるだろう。
他にも地政学リスクや、ウィルス関連などのファンダメンタルは、気にしたところでどうにもならない。
どうにもならない事を気にしたところで、メンタル的にも全くプラスには傾かない。
基本的なスタンスは、何か相場が動く要因があるからそれに向けて用意をするというただそれだけだ。何度もいうが決してファンダメンタルの結果に左右されてはならない。
結局のところ私たち個人トレーダーはテクニカル分析に依存する。それは悪いわけでもなんでもない。なぜならテクニカル分析こそが最もリアルな値動きの筆跡であり、事実を映し出している決定的な指標だからだ。