一言にテクニカル分析というが、そもそもなぜテクニカル分析をするのだろうか?たまに「テクニカル分析は意味がない」などの話も耳にするが、そもそもテクニカル分析を何の目的でやっているのだろうか?
目的を知る事は非常に重要なことであって、テクニカル分析そもそもの目的がわからないのにいくら勉強してもなかなか勝てるようにはならないのではないだろうか?
そんなわけで、今回はテクニカル分析の目的について説明していこうと思う。
テクニカル分析の役割とは
テクニカル分析の目的は「過去の値動きから現在の相場環境を模索する」ということだ。
テクニカル分析は過去の値動きであって、未来の値動きには関係ないという意見もあるが、過去の値動きが未来の予想に関係ないのであれば、そもそもテクニカル分析をする必要性はない。
果たしてテクニカル分析はどのような相場分析を目的としているのだろうか?
相場分析の分類
テクニカル分析の本質は過去の値動きから現在の相場環境を模索する事だ。もちろん投資というのは未来に投資するわけであって、これからの値動きを予測しないとなるとまさに本末転倒となる。大きく分けて未来の相場を分析するのは
- テクニカル分析
- ファンダメンタル分析
- 行動ファイナンス分析
という3つに分かれているが、基本的にファンダメンタルというのは非常に大きくアバウトなカテゴリーを指している。
行動ファイナンス分析とは、マーケット心理を分析する「行動理論」だ。
有名な指標では恐怖指数と呼ばれる「VIX指数」などがある。
そしてテクニカル分析とファンダメンタルを両方とも使って分析することをテクノファンダメンタル分析と呼んだりしている。
価値の不明確さをチャートで表す
そもそもマーケットでは「相場は全ての事象を織り込む」とダウ理論でも言われているとおり、経済動向や政治的要因、マーケット心理までも全てが折り込まれているもので、単純に材料だけではなく非常に複雑な理由で動いている。
これからの相場を予測するといっても事実上誰にも予測がつかないものであると同時に、対象の商品に対しての価値というのは、その商品が優れているから価値が上がるという単純なものではないということになる。
そこでテクニカル分析は、商品価値をグラフ化して視覚的に現在の相場環境が判断できる分析方法として使われている。
テクニカル分析の目的「負けを減らしてトータルで勝つ」
トータルで勝つと今すぐ勝つの違いを理解しよう
テクニカル分析で「勝てない」という話はよく聞くが、実は「テクニカル分析は必ず勝つ為のもの」という認識自体がそもそも間違っている。
前述でも説明したが、テクニカル分析だけではなく相場分析のすべてにおいて、未来を確実に予測できるものは皆無であって、相場で勝つためにはトータルで勝つための分析が必要になってくる。
利益を得られないトレーダーの多くは「勝つ事」に依存しすぎて、「負ける確率を減らす」ということに認識が傾いていない。
負けない分析ではなく、負け率を減らす事がテクニカル分析の最大の目的となる。
負け率を減らすとは?
では負け率を減らすとはどういう事なのか?
よく相場はゼロサムゲームだと言うが、言い換えれば相場は上に行くか下に行くか?という2択であり、確率は50%であるという極めて単純な理屈になると考えられている傾向にある。
しかし、実際に上がるか下がるか2択で確率が50%だとした場合、さらに単純な疑問が出てくる。
なぜ確率が50%なのに負けているトレーダーが圧倒的に多く、こんなに差が出るのか?
それはただ単に負けるトレードを繰り返しているせいであって、負ける理由が存在するという事に他ならない。
本当に確率は50%なのだろうか?負ける理由があるのならば「勝てる理由も存在する」という事にはならないのだろうか?
テクニカル分析は市場心理を織り込む
テクニカル分析では値動きの規則性というものを注視する。それがトレンドであり、価格の節目であり、それは市場心理だ。
ただ単にランダムに動き回る値動きであればトレンドができるはずもなく、ある一定の価格帯で値動きが揉まれる事もないはずだ。
テクニカル分析の最大の目的はこの市場心理を知ることにある。
テクニカル分析はインジケーターの本質を知る
テクニカル分析にはインジケーターと呼ばれるテクニカル指標を使う。しかし、インジケーターをエントリーなどのシグナルなどを測るだけの小手先だけでの理由としてしか使っていないという残念な使い道をしている人が非常に多い。
インジケーターをなぜ使っているのか、そのインジケーターで何を知りたくて使っているのか?ということを理解する事が非常に大切になってくる。
ライントレード で使われている水平線ひとつでも市場心理を織り込んだものであって、テクニカル分析を使う事で相場心理も読みとく必要性がある。
テクニカル分析から何を読み取るのか?
水平線とはチャートに横線を引いただけの単純な分析手法だ。水平線が引かれるのは価格の節目であって、時間軸にはフォーカスしていない。過去にその価格帯で何度も跳ね返されたりした価格帯になる。
重要なラインにはポジションをまだ多く持っていて利益確定やロスカットをしようとしているトレーダーが待ち構えていたり、色々な意味でマーケットから注目されているラインであり、生きているラインだ。
つまり、ライン1本引くだけでもそこに市場心理が隠されているわけで、その本質を理解していくことが重要な鍵となる。
まとめ
テクニカル分析をする3つの目的とは
- 過去の値動きから現在の相場環境を知る
- 負けを減らしてトータルで勝つ
- 市場心理をテクニカル分析から読み取る
という3点が大きく関わってくる。
取引スタイルによってはテクニカル分析だけで稼げる。それくらい大切なものと考えても間違いではない。大切なのはテクニカル分析をどのような目的で利用するのか?ということだろう。