今回はボリンジャーバンド期間の設定やエクスパンション、バンドウォーク、スクイーズ、と言ったボリンジャーバンド特有の動きを中心に、トレード判断とされるバンドブレイクアウトなどの基本知識をできるだけわかりやすく紹介していきたいと思う。
あくまでも基本的な知識であって、手法とかそういうものではないので、これからボリンジャーバンドを使ってみようと考えているが、どういうものか知りたいという方は参考にしてみてほしい。
ボリンジャーバンドの基本的なチャート分析
では移動平均線20で偏差2σの設定でボリンジャーバンドの特徴的な値動きの分析について見ていきたいと思う。ボリンジャーバンドの基本設定に関してはボリンジャーバンド計算式(標準偏差)から見る基本設定とはの記事をチェックしてほしい。
バンドウォーク
値動きがボリンジャーバンドの2σをなぞるように上昇、下降をしている状態をバンドウォークという。このバンドウォークが発生している時は強いトレンドが発生している状況だ。
スクイーズ
スクイーズとはボリンジャーバンドの膨らみが収縮し、狭いバンドの中を推移している状態だ。スクイーズが発生した後にはその後どこかのタイミングで価格が大きく動き出し、スクイーズの期間が長くなればなるほどブレイクした後のトレンドは大きくなる傾向にある。
スクイーズというのは標準偏差、価格のばらつき(分散)が縮小している状態で、テクニカル的にはレンジの状態だ。スクイーズの期間が長ければ長いほど買いと売りのポジションが大きく溜まっていくので、ブレイクした時は大きく動く傾向になる。
ではその大きく動いた時を見ていこう。スクイーズから価格がブレイクした時を「エクスパンション」という。
エクスパンション
上記チャートでは、しばらく縮んでいたボリンジャーバンド(スクイーズ状態)が一気に膨らんだのが分かると思う。
この状態がエクスパンションといってブレイクの状態になる、大きな値動きによって大きく標準偏差が広がった状態だ。
- バンドが縮まって推移している状態をスクイーズ
- スクイーズからバンドが大きく開いた状態のことをエクスパンション
スクイーズからのエクスパンションは、チャート分析でいうレンジブレイクの場面でもある。レンジブレイクについてはレンジブレイクとは|チャート分析の見極めと判断のパターンで説明しているのでチェックしてみよう。
しかし、これはあくまでも教科書通りの説明であって、FXなどでは取引している時間帯によっては、値動きが小さくスクイーズ状態になり、ロンドン時間などでボラティリティーが高くなれば当然のようにエクスパンションするという場合もあるので、その時の相場状況などを踏まえた上で判断する事が重要になってくる。
ボリンジャーバンドの特徴を活かしたチャート分析
ではボリンジャーバンドを実際のトレードで効果的に活用するにはどういう風に使うのだろうか?鉄板的なものを紹介しよう。
バンドブレイクアウトエントリー
ボリンジャーバンドは基本的に値動きに追随する見方が基本的だが、レンジ相場の場合は上下のバンドがレジスタンス、サポートの役割として考えている方も少なくない。
しかし、レンジ相場が続いている時にいつブレイクするか検討も付けずにレンジ内逆張りをするというのは、非常に危険だ。
スクイーズ状態からのブレイクアウトでエントリーというのがボリンジャーバンドとしての基本になる。
赤丸で囲んだ場所がボリンジャーバンド2σをスクイーズからロウソク足の実体が上抜けてからのエントリーのタイミングになる。このバンドブレイクアウトのタイミングでエントリーをする事はボリンジャーバンドでは教科書的なものだ。
標準偏差の観点から見ると、バンドがエクスパンションするという事はそれだけどちらかのほうに大きく分散が隔たっていて、当然2σも突き抜けている状態だ。このバンドブレイクに重要な事は、ブレイク手前がスクイーズ状態である、というのもまた基本的なものになる。
ボリンジャーバンドの進化系「スーパーボリンジャー」
ボリンジャーバンドにはその特性を活かした進化系のスーパーボリンジャーというテクニカル指標がある。
スーパーボリンジャーはスパンモデルという一目均衡表の遅行スパンに要点を置いたインジケーターと組み合わせる事によって、エントリーの理由付けを明確にするという利点もある。
詳しくはスーパーボリンジャーとスパンモデル|設定と使い方とはの記事で紹介しているのでチェックしてみよう。
まとめ
ボリンジャーバンドは相場環境を知ろうとする上で非常に役に立つツールだ。今相場はどういう状況なのか、売りと買いの力関係はどちらが強いのかなど判断するのに有効になってくる。
相場はあくまでもサイン通りには動かない事が多い。相場は値動きであり、ある一定の法則があるにせよ、未来を予測するのは基本的に無理だ。もちろんレンジをブレイクしたからといって必ずその方向に動くとも限らない。
これは個人的意見だが、ボリンジャーバンドというインジケーターは相場の全体像を見るものであり、特別なシグナルを発見するものとしては使い方がどうも違うような気がしてならない。
実際ボリンジャーバンドは非常に人気があるし、プロトレーダーも表示させている人が多いのも確かだ。
相場を判断するのにボリンジャーバンドの本質を考えながら、うまく使えばトレードの補助ツールとして強い味方になってくれるかもしれない。